発熱
発熱とは、一般にわきの下で測って37.5℃以上、あるいは平熱より体温が1℃以上高い場合をいいます。
こどもの発熱の多くは、かぜなどウイルスの感染によっておこります。ウイルスは体温が高くなると その増殖の勢いが弱まりますし、またそのウイルスを退治する防御能力は体温が高くなるとその活動が 活発になります。
こどもが元気そうで食欲もあれば解熱剤は使う必要はありません。夜、高熱で寝れない場合などは解熱剤を使用してもよいでしょう。
すぐに対処が必要な発熱
- 生後3か月未満の発熱 (重い感染症の可能性があります)
- 4日以上続く発熱 (細菌の重症感染症、川崎病などの病気の可能性がでてきます)
- ぐったりしている、水分がとれない、顔色が悪い、嘔吐を繰り返す、苦しそうな呼吸をしている、強い腹痛、意識がもうろうとしている、けいれんなどの症状を伴う
- 熱中症による高体温
Q解熱剤は坐薬の方が効くか?
内服薬よりも坐薬の方が早く良く効くと、一般に信じられていますが、アセトアミノフェン(カロナール、アンヒバ等)の血中濃度を比較してみると、内服薬は15~30分でピークに達しますが、坐薬は90分位かかります。また、最高血中濃度は坐薬よりも内服薬の方が高いというデータが出ています。よって、坐薬よりも内服薬の方が早く、良く効くということになります。
Q熱性けいれんのあるこどもに解熱剤を使用してよいか?
解熱剤の効果が切れて体温が再上昇した際に、けいれんが誘発されるので解熱剤の使用はすべきではないという話もありますが、これを裏づけるようなデータはありません。熱性けいれんと解熱剤の使用は分けて考えて、通常の発熱の際と同様に、苦痛であれば解熱剤を使用してかまいません。ただし、熱性けいれん予防のためのジアゼパム坐薬(ダイアップ坐薬)と解熱剤のアセトアミノフェン坐薬(アンヒバ、アルピニー)を同時に挿入すると、ジアゼパム坐薬の吸収が阻害されます。先にジアゼパム坐薬を挿入し、その30分後にアセトアミノフェン坐薬を挿入しましょう。
Q発熱時のホームケアは?
寒そうにふるえて、手足の先が冷たく青い時は、これから熱が上がろうとしているところです。毛布などで温めてあげましょう。熱が上がりきると赤い顔をして暑そうにしはじめるので、薄着にしたり冷やしてあげたりするといいでしょう。
発熱時には胃腸の活動も低下しますので無理に食べさせることはありません。消化のよいものを与えたり、脱水症状にならないよう水分をこまめにあげましょう。
〈参考文献〉東京医学社 小児内科 vol 47 no 5 2015
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